言葉にできないことは、年々減っている。
自身の語彙や経験が増えたから、と胸を張って言えたらよかったけれど、おそらく違う。
大量の他者の言葉に、簡単に触れることができる、この時代のおかげだろう。自分で言葉にする前に他人の言葉を検索して、そうそうそんな感じ、と頷いて終わったことは山程ある。
既に誰かが言い尽くしたようなことを、とりとめもない乱文を、それでも書いている。
いつか私達も、既知の言葉を積んだ人々の地層に加わって、その砂の一粒が後世の誰かをちょっと喜ばせるかもしれない、と夢想する。
誰かのために書くのだろうか?
いや、やっぱり自分のために書くから良いのだろう。
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